VICUNA

このプロジェクトは、僕たちの最上質ウールコレクションです。
ビクーニャ繊維は動物の毛では最上質のものとして知られており、
「チャク」と呼ばれる古代インカから続く儀式的な剪毛を通じてのみ採取されます。

チャクの儀式_01

The Vicuña

ビクーニャはアンデス山脈の高地に生息する野生動物です。その毛から最高級の繊維が採れるため、長い間ビクーニャは注目されてきました。

インカ帝国時代には、「チャク」という地域社会の共同努力によりビクーニャの繊維が集められました。ビクーニャは何十万もの人々によってじょうご状の罠に集められ、毛刈りが終われば再び解き放たれます。この行事は4年に1度しか行われません。ビクーニャは“純金のコートを着た美しい乙女の生まれ変わり”だと信じられていました。毛のもつ色合いから別名「アンデスの黄金」と呼ばれるほどで、当時の法律でインカの王族以外は身に着けることができませんでした。

スペインからの征服(1530年ごろ)期間中に、ビクーニャに関する伝統と価値が失われてしまいました。1964年までビクーニャ猟が無制限になったため、ビクーニャの数は6,000頭以下にまで減少してしまいました。その結果、同年に絶滅種と認定され、その保護のためビクーニャ繊維の貿易が禁止されました。

以来、アンデス当局はチャクの伝統を再確立するための社会政策を実施し、この類い稀なる繊維の販売から出た利益を先住民に還元し昔ながらの伝統を奨励することで、ビクーニャの密猟を防ぐべく多大な努力を重ねてきました。チャクはインカの伝統をしっかり受け継ぎ、年に1度実施されています。

Positive Change

このような環境により、ビクーニャ繊維は質・量ともに最高級の繊維として現存しています。繊維と同じくらい希少な女性のスペシャリストの手によって選別されたビクーニャ繊維。その繊維でできた僕たちのビクーニャコレクションこそ、世界一の極上ウールコレクションです。

僕たちは、この衣類の購入によって創り出されたポジティヴな変化こそが本当の贅沢だと確信しています。

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製品一つひとつが最高の職人技術によってつくられている。

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粗い繊維は一本一本手で取り除かれる。

アルパカとラマの群れ。
アンデスの過酷な環境。